2025/11/06 18:02
ナイスカットG(アイボリー)の修理依頼です。

7年ほど使っていたものの、ヒューズが切れてしまうため修理のご依頼がございました。
まずモーター部分を確認します。
端子台の軸部分に黄色いグリスが山のように付着し、外側まで盛り上がっていました。そのグリスにもカーボン汚れの付着があり、悪さしていたようです。徹底除去致しました(右写真)
カーボンブラシの摩耗は現状交換するレベルではなく、これがヒューズ切れの直接的な原因ではありませんでした。

ベアリングにもグリスと汚れがべったりと付いており、正常な状態ではないので綺麗にします。

次にローター(コイル部分)のチェックを行いました。先ほどのカーボンの粉の汚れがこちらにも散見されたので、洗浄を行いました。(左写真→右写真)特に電気が流れる部分にグリス・カーボン汚れが多く付着しており、ショートの一因になったと考えられます。

コイルの隙間から出てきた汚れの塊と、端子とグリスの状況です。右写真のように隣り合う銅板を橋渡しするようにグリス・カーボン汚れが付いています。これがコイル間のショートの引き金になったようです。コイル間のショートも修復しました。

以上の作業をもってモーターを再度組みなおしたところ、正常に稼働することを確認できました。
組みなおして動かしてみたところ少し音が大きかったため、樹脂を侵さないグリスを注入しておきます(左写真→右写真)。音の角が取れ、マイルドな作動音になりました。

モーター以外にも正常な動作確認のため各部品の清掃を行いました。各パーツ、全体に覆っていたコーヒーのくすみ等が取れました。

試し挽きを行ったところ、どうも粉の舞いがひどく静電気が多く発生しているようでしたので改善致しました(左写真→右写真)。

原因は微弱な漏電とも思われたので基板を見たところ、基板表面に黄色い油のようなベトつき(溶けたグリス)が見られました。除去したところ上の右写真のように改善致しました。今は乾燥時期なので多少の飛び散りはやむなしですね・・・。

改善策としては金属製のカップを使うと良さそうです。試しに挽いてみたところほぼ飛散しませんでした。よくナイスカットミルについてくるこのカップ、実はカクテルシェーカーの下の部分なのでもし探されている方は要チェックです。

その他、ボディも清掃しました。日頃のコーヒー汚れはあったものの、ボディには傷は少なく、大事に使用されていたことが分かります。

現状、刃が回る動作を確認していますが、試運転、試し挽きなどの動作確認を経て修理完了とさせていただきます。どうぞ、今しばらくお待ちください。
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コーヒーは挽きたての豆が一番香りが出ます。
温かいのが欲しいこの季節はなお更ですね。
ナイスカットミル、ナイスカットGは修理し長く使っていくことができる製品ですので、諦めずHEROPEAKにお気軽にご相談ください。
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